「給与明細に加えて勤務記録も保管しよう」

「給料日だー!」
と、喜んでいるそこのア・ナ・タ。
その内訳、ちゃんと確認してますか?

「よしっ!ちゃんと振り込まれてる。」
「給与明細の『差引支給額』はいくらかな?」
「前月は残業代多かったな~。」
「社会保険料、相変わらず高いな~。」
こんな気持ちで支給日のひとときを過ごした人もいるのでは?

私たちの給与は勤務先の規則に基づいて計算されており、当然ながらその規則は労働基準法を満たすように作られています。
給与が支給されたらやるべきことは、支給された内容・金額が自分の認識と合っているかどうかをしっかりと確認することです。
給与は自分の大切な時間や能力を勤務先に提供した対価です。
給与明細と向き合う時間を作り、間違っていると思われる場合は速やかに担当部署に確認しましょう。

なお、個人で給与明細を日常的に使うことはほとんどないと思いますが、こんなことに役立つということを書いてみました。
(4)では給与明細に加えて勤務記録を保管することの重要性を説明しています。
皆さんも両方保管するようにしておきましょう。


(1)給与の推移を把握する資料として
自分の給与が以前と比較してどれくらい上がったのかを把握することは、将来の生活設計や資産設計をする上でとても大切なことです。
「どれくらい給与が上がったか」
「勤続年数を重ねるうちに増えた手当はあるか
「前年同月時点での年間累計所得はいくらだったか」
1年、5年、10年という長い期間で比べると普段は気づかないことが見えてくるかもしれません。

(2)年金を納めた記録として
「年金記録問題」「消えた年金記録」「宙に浮いた年金」という言葉を覚えている人もいると思います。
「それってなぁ~に?」という方はググってみてください。
もう二度と同じことが起こらないようにしてほしいですが、将来自分の年金記録が危うい状況になった場合、給与明細が役に立ちます。
給与明細には年金保険料がいくら差し引かれたかがしっかりと書かれています。
私立学校の場合は「加入者保険料」と「退職等年金」が年金に該当します。
万が一、年金記録が事実と違うと思われる時は厚生労働省に年金記録の訂正請求をすることができます。
「訂正請求に必要な書類」のひとつに「請求内容に関する状況が分かる資料」があり、その資料として「給与明細」が使用できます。

(3)収入があることの証明として
家を買う、車を買う、結婚式を挙げるなど、ライフイベントの中で金融機関から融資を受けることもあると思います。
「前年の収入が分かる書類を出してください」と言われた時に給与明細を活用できる場合があります。
給与明細が有効な書類として扱われるかは取引先の金融機関によって異なりますので、融資申し込み時に確認してみてください。
ちなみに、玉川学園労働組合が融資をする立場だったら、源泉徴収票よりも給与明細を確認したいですね。
なぜなら、毎月変わらない金額(基本給など)、変動する金額(超過勤務手当など)がそれぞれどの程度かを把握したいからです。
所属部署異動、働き方改革、在宅勤務で残業が減ったりなくなったりして、その人の収入が前年より減ることも十分考えられますからね。

(4)支払われた賃金の証明として
「当たり前のことでしょ!」と思うかもしれませんが、労働組合では組合員に過去に支払われた賃金を証明する重要な資料として給与明細を使います。
例えば、超過勤務手当が適正に支払われているかは本人の勤務記録と給与明細を使って確認します。
勤務記録は「働いた時間の証明」として、給与明細は「支払われた賃金の証明」になります。
そのため、給与明細に加えて勤務記録も保管しおきましょう。
なお、未払い賃金の時効は「当面の間は3年」とされています。


給与支給日の帰宅後、給与支給があった週の休日など、毎月1日だけ自分が得たお金に向き合う日を作りませんか?
面倒だと思うかもしれませんが、そのひと手間が自分自身を守ることにつながります。